★ 知っているようで知らない脂肪のはなし ★
はじめに 近頃はダイエットブームで、TVや雑誌のダイエット特集は高視聴率を上げたり、売り上げ部数を伸ばすのに役立っているようです。また薬局やドラッグストアーへ行くとダイエット製品のコーナーが必ずといっていいほど有り、売り上げも好調とのこと。肥満は外見上の問題だけでなく、高血圧や心臓病を始めとする数多くの生活習慣病の原因となります。そこでダイエット(減量)をして理想的な体重にすることは、健康を維持する上でたいへん重要なことだと言えます。
しかし栄養に対する充分な知識が無い中で、ただ食事制限だけを行うようなダイエットは無謀であり、また危険でさえあります。ウェイトコントロールだけに限らず、普段の食生活を改善して健康な毎日を送る意味でも、栄養に関する正しい知識を付けていきましょう。
脂肪は必要なもの〜その働きと効果
ダイエット(減量)を語るときに必ずと言っていいほど、「脂肪を燃やす、脂肪を減らす、脂肪の吸収を抑える、低脂肪の製品をとる・・・」等の言葉を聞きます。それはあたかも脂肪は私たちの体に必要の無いものであるかのように聞こえます。しかし実際には、脂肪は私たちの体にとって最も効率の良いエネルギー源であり、また体を維持する上で数多くの大切な働きをしている、たいへん重要な栄養素のひとつなのです。
私たちの体が生活する上で必要な栄養素は、全部で約50種類あると言われています。それらを大きく分けると炭水化物、たんぱく質、脂肪、ビタミン、ミネラル、水のグループに分けることが出来ます。その中で炭水化物、たんぱく質、脂肪の3種類が、私たちの体が活動していくためのエネルギー源として使われます。それらが産み出すことが出来るエネルギー量を比べると、炭水化物、たんぱく質がそれぞれ1グラム当り4カロリーのエネルギーを産み出すのに対し、脂肪は9カロリーと、何と2倍以上のエネルギーを産み出すことが出来ます。この様に脂肪は私たちの体にとって、最も効率の良いエネルギー源なのです。
人間の体は基本的に飢餓状態、食糧不足に対し、出来る限り耐えられる様に作られています。そのため体は最も少ないスペースで効率よくエネルギーを蓄えるために、自然に脂肪を体内に蓄積しようとします。そして体は炭水化物を普段のエネルギー源として優先して使い、脂肪は後回しにされます。(たんぱく質はエネルギー源としてよりも、体を作る材料として優先的に使われます。)そのため必要量以上にカロリーを取り続けることは、脂肪がどんどん体に蓄積されることを招き、肥満の原因となってしまうわけです。また現在の日本で食糧不足に陥ることはほとんど考えられませんが、食生活が不規則であったり、無理なダイエットをして1日に1回しか食事を取らないような人は、体が一時的な飢餓状態になり脂肪を蓄えようとするため、逆に肥満の原因になることが意外と多いのです。
エネルギー源として以外にも、脂肪は私たちの体にとってとても大切な働きをします。皮下脂肪は外部からの衝撃から体を保護したり、体温を保持する働きをします。関節に於いては潤滑剤として働きます。また内臓の周りにある脂肪はクッションの働きをして、内臓同士がぶつかって傷付くのを防いでいます。更に脂溶性(油に溶ける)ビタミンのビタミンA,D,E,Kを血液を通して身体中へ運ぶのを助けています。そして更に重要なのは、脂肪は私たちの体を形作っている細胞(細胞壁)の大切な材料でもあるのです。
普段の食事に於いても脂肪は、肉などの食品を柔らかくしたり、味や香りを引き立て食欲を刺激したり、食後の満腹感、満足感を向上する働きがあります。確かに脂の乗ったサンマや刺身の方が、乗っていないものより食欲をそそられる人も多いのではないのでしょうか。
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