「笑う門には福来る」と言われるように、古くから"笑い"は私たちの生活を潤し、豊かにすることは知られています。そして今、"笑い"の健康に対する科学的な効果が少しづつ解明されつつあります。そのひとつが心臓の健康に対する"笑い"の効果です。心臓病のリスクを減らすために、食生活を見直し栄養のバランスを考えたり、エクササイズやストレスの軽減を図ることは大切なことです。しかしいざやろうとすると、それらが意外と大変な仕事であることに気が付きます。しかし今、簡単に行える健康法として「笑うこと」が注目されています。大いに笑って心も体も健康にしていきましょう!
メリーランド大学の研究者たちが、アメリカン・ハート・アソシエーションの会合で報告した内容によると、健康な心臓を持つ人は心臓病を患っている人に比べ、頻繁に、そして心からよく笑うということです。そして難しいシチュエーション(状況)でもユーモアを使って、スムーズに乗りきってしまう場合が多いと報告しています。更に気難しく、めったに笑わず、ユーモアのセンスの無い人でも、それらを習い、身に付けることが出来ると付け加えています。
メリーランド大学メディカルセンターのディレクター、マイケル・ミラー博士は、心臓発作を起こしたか、又は心臓バイパス手術を受けたことのある人150人と、ほぼ同年代で健康な心臓を持つ人150人に、次の様な質問をしてその回答を比較しました。〜パーティー会場で自分と全く同じ洋服を着ている人を見つけた時、又はウェイターに飲み物を自分の服にこぼされた時、どの様に反応しますか?〜その結果、笑いやユーモアを使ってこの居心地の悪い状態を解決するという人は、心臓病を患っている人では健康な人に比べ40%も低いことが分かりました。
笑いがどの様に心臓を守るのかはまだ正確には解明されていませんが、笑うこと(高笑い、クスクス笑い、ばか笑い等)は、体内でコーチソールと呼ばれるストレスホルモンを減少させ、血圧を低下させ、それが心臓病のリスクを軽減することにつながると考えられています。また精神的ストレスにより血管の内皮が損なわれることは知られており、それらの低減にも効果が有ると考えられます。ミラー博士はそれら生理学的な効果以外にも、笑うことが健康のために良い理由があると考え、次回の研究でそれらが発見されることを期待しています。
バージニア大学のアダム・クラーク博士は、笑うセッティング(状況作り)が大切だと考えています。通常あなたが笑うときはグループの中か、最低でも誰かと一緒に居るときだと思います。(もちろん一人で腹を抱えて笑う時もありますが・・・)この様な社交的な状況ににおける笑いが健康に大きくプラスになると考えられています。なぜなら孤独感は精神的な落ち込みと大きく関係しているからです。
笑いの研究のパイオニアとして知られるロマ・リンダ大学のリー・バーク博士は、笑いは血液中のコーチソール、アドレナリン等のストレスホルモンのレベルを下げ、免疫機能の強化にもつながるといいます。さらにバーク博士の研究グループが1997年に発表した内容によると、既に心臓発作を起した人にも笑いは有効であると考えられています。24人の心臓リハビリを行っている患者に、30分間のこっけいな内容のビデオを毎日一年間見せ続けたところ、その内の2名が心臓発作を起しましたが、ビデオを見せなかったグループ24人の患者の内の10人と比べると、圧倒的に少ないという結果が出ました。
ストレスが多い環境でも、笑い、そしてユーモアを見つけることは出来ます。72歳になる往年のコメディアンで、カーメルインステチュート・オブ・ユーモアの設立者でもあるラリー・ワイド氏は、生活の中でのユーモア、笑いを人々に教えています。彼自身は心臓病になったことは無いといいます。ラリー氏は笑いを見つけ、ユーモアのセンスを磨くことは誰でも出来ると言い、次のようなアドバイスをしています。〜笑いの対象となるものを見つけましょう。あなた自身がどんなものをおかしいと感じるか確かめてみましょう。それは人によって違うはずです。あなたのスマイルや笑いを誘うような家族のイベント写真を目に付くところに置いたり、雑誌や新聞の漫画などを壁に張ってみるのもひとつのアイデアです。
参考資料: WebMD Medical News, Dr. Craig H. Kliger, Feb. 5, 2001 |