LA通信 >2003.05.05
Dixie Chicks(ディキシーチックス)って知ってる!?
HELLO!LA在住のMAMOです。5月5日は日本では子供の日ですが、ここLAではCinco de Mayo(シンコ・デ・マヨ)といって1862年にメキシコがフランスに勝った日 をお祝いしています。なぜアメリカでメキシコのお祝いなの?と思われる方も多いと 思います。実はここカルフォルニア州にはメキシコからの移民がとっても多く(実は カルフォルニアは以前はメキシコ領土でした)、彼らの多くは今だにメキシカンとし てのプライドを持っていて、この日はそれを示す意味でとっても大事な日なのだそう です。5月4日の日曜日にLAダウンタウンで行われたシンコ・デ・マヨ フェ スティバルはカルフォルニア州知事も参加する程大規模なもので、大勢の人で賑わっ ていたようです。
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ところで“ディキシーチックス”というカントリーロックグループをご存知でしょう か?このテキサス州出身の女性3人組は、アメリカで現在最もポピュラーなグループ のひとつで、そのアルバムやシングルはビルボードのチャートでも全米でナンバーワ ンを取り、グラミー賞のベストカントリーアルバムも受賞しています。また3月1日 に発売された全米ツアーのコンサートチケットは初日でほとんどが売り切れ、その数 86万7千枚以上になるそうです。そのカントリーグループが3月に行ったロンドン 公演で、ブッシュ大統領を非難する発言をしたことが議論を呼んでいます。
かねてからイラクへの戦争に反対していたグループのボーカルのMainesさん は、3月のロンドン公演中に観衆に向かって、「知っての通り、合衆国の大統領がテ キサス出身なのを、私達は恥ずかしく思う」と言いました。またその後グループの ウェブサイトで、「私達は何週間も海外公演をしていて、私達の政府の立場について ニュースを読みつづけています。反アメリカ感情は広がっています。私は大統領が多 くのアメリカと世界の意見を無視していると感じます。私のコメントはフラストレー ションと自分の考えを自由に言えるというアメリカ人であることの特権のひとつによ り作られました。私達が私達の兵士を応援する一方、イラクとの戦争により多くの無 実の人たちの命が落とされるだろという予想は、これ以上無いと言うほど恐ろしいこ とです。」とMainesさんはコメントを載せました。
この発言はアメリカ中の多くの人たちの反感を買い、ファン達は彼女達のCDやグッズ を破壊し、アメリカ中のラジオステーションでは彼女らの曲の放送を中止してしまい ました。ミズーリ州カンザスシティのラジオ局のひとつでは、“ディキシーチキン・ トス(投げ)”と題して、グループのテープやCD、コンサートチケットをゴミ箱へ 捨てることを薦めました。またテキサス州ヒューストンのカントリーソングのラジオ 局KILTではラジオでグループの曲をかけるのを中止し、同局のウェブサイトでの アンケートでは77%の人たちはそれを指示したそうです。KILTのディレクター は「人々はショックでした。テキサス出身者が州と大統領を攻撃するとは信じられま せん」と語っています。またTV番組のインタビューで、グループが脅迫を受けている とも伝えられました。
このようにディキシーチックスに対する批判やボイコットが進む中、アメリカ中59 都市を回る彼女らの全米ツアーがスタートしました。先週木曜日にサウスカロライナ 州グリーンヒルズで行われたコンサート会場の外には、プラカードを持った15人ほ どの抗議者が立ちました。そんな中でコンサートが始まり最初の曲が終わってから、 ボーカルのMaineさんはステージ上で言いました。「もしあなたがブーイングを するために来たなら、私達はそれを歓迎します。私達はそのために15秒間を皆さん にさしあげます」、そしてカウントを始めました。彼女がカウント3を数えたとき・ ・・会場を埋めた観客達はブーイングでは無く、いっせいに拍手喝采をし、彼女達は 次の曲をスタートしました。
このディキシーチックスの件に関し、アメリカを代表するロックスター、ブルースス プリングスティーンは彼のウェブサイト上で、以下のようにコメントしています・・ ・「ディキシーチックスは彼女ら自身を表現するという彼女らの基本的な権利によ り、最近大きなヒットを得ています。彼女らは素晴らしいアメリカンアーチストであ り、アメリカ人としての価 値を、アメリカ人としての言動の自由という権利を使い表現しています。彼女らを大 規模にラジオステーションから、ましてはラジオネットワークから消し去ることは、 全くアメリカ的ではありません」。またアメリカの大手TV局であるNBCのウェブ サイト上で行われたアンケートでは、43%の人がディキシーチックスをボイコッ ト、20%がMaineさんの意見に賛成、30%が彼女の意見に同意はしないけれ ど、彼女には彼女の考えを言う権利があると答えています。
イラクでの戦争が始まってからアメリカでは、反戦を口にすることは愛国心の欠如と 見られる風潮になってきていました。そのため多くの人たちは口を閉ざしてしまった ように感じます。戦争の是非やブッシュ政権を支持するかしないかは別にしても、言 論の自由という最もアメリカ的な権利を失わせてはいけません。その中で今回ディキ シーチックスが、自分たちの意見を主張しつづけていることは、たいへん大きな意義 があるのではないでしょうか。Maineさんはロンドン公演での発言について、自 分の使った言葉があまり適切ではなかったことを反省はしていますが、現在も自分の 意見は変わらないと述べています。
アメリカ人としての強い意志に裏付けされた、テキサス出身のディキシーチックスの すばらしい歌を、機会があれば一度聞いてみてはいかがでしょうか。
MAMO (Nature's Story USA)
参考ウェブサイト:
http://www.nbc4.tv/entertainment/2171504/detail.html