先日インターネット接続に問題があって、私の使っているISP(インターネット・ サービス・プロバイダー)であるEarthLink(アースリンク)へ電話をしま
した。
何年か前に電話をした時には何十分も待たされて、とても面倒な思いをした経 験があったので電話をするのをちょっと躊躇したのですが、インターネットに接続が
出来ない!?という重大な問題であったため、仕方なく受話器を手にしました。
無料通話カスタマーサービスの電話番号(電話番号の最初が888や800で始まるのは先 方払いの無料通話)に電話をして、いくつか番号を選んでいくと最後に“ダイアン”
という名の女性につながりました。
明るく対応してくれたその女性に状況を説明して いくと、パソコンの設定の変更をしてみてはどうかと、いくつか手順を説明してくれ
ました。それに従ってパソコンを操作している間、待ち時間が若干あったので少し世 間話をしていると、彼女に「あなたはインド人か?」と聞かれまし・・・もしかした
ら私の英語が日本人なまりでは無く、インド人なまりに聞こえたのかもしれません。
私は日本人だと話をすると「あなたの英語は日本人ぽくない。ここにも沢山日本人が いるけど、あなたの英語とはちょっと違う」。
そこで私が「ここと言うと、あなたは いったいどこにいるのですか?」、すると彼女は「フィリピンです」。
私はアメリカ 国内で電話をしていると思ったら、実はフィリピンへ電話をしていたのです!!!
アメリカ国内でも日本と同じように、製造業が人件費の安いメキシコや中国へ生産拠 点を移動したため、国内の製造業の空洞化が叫ばれていて、それが今年の大統領選挙
の争点の一つにもなっています。
しかも最近は製造業だけでなくソフトウェアの開発 など、今までアメリカ国内でしか出来ないと思われていた分野もインドや中国といっ
た第三国へシフトされて来ています。
そして更に大手企業のアウトソーシング(業務 外注)により、電話でのカスタマーサービスまで海外へ移転されてきているのです。
フィリピンやインド等は英語が公用語のため、多くの人たちが流暢な英語を話しま す。国際通話の低コスト化と合わせて人件費の安いそれらの国々へ、お客サービスも
移転されているわけです。
日本語中心の日本ではちょっと考えられない状況が、ここ アメリカでは起きているのです。
アメリカではどちらかといえば電話でのカスタマーサービスは低賃金の仕事と言わ れ、そこで働く人たちの質も決して高いとは言えないの現状です。
私も過去に何度か いろいろな会社のカスタマーサービスに電話をしたことがありますが、待ち時間が異 常に長かったり、横柄な対応が多かったり、結局問題の解決につながらないことも多
かったりして良い印象が有りませんでした。
しかしある記事によると、インドでアメ リカのソフトウェア企業の技術サポートとして、電話でお客対応している人たちの多 くは、大学卒で月給200〜300ドルの収入を得る事が出来ます。
それは現地の一 般の人たちよりも非常に高い収入と待遇を得られるため、働いている人たちの多くは その仕事にとても満足し、やりがいを感じているといいます。
必然的にお客への対応 もポジティブ(前向き)な質の良いものになるのです。事実、私が話したフィリピン にいるダイアンという女性も、丁寧に明るく対応してくれて、おかげで私の問題も解
決することが出来ました。 ビジネスのグローバル化が進み、製造業、ソフトウエア開発、そしてサービス業ま で、アメリカ国内から人件費の安い第三国へ移転されてきています。
それが今日のア メリカ国内の失業率の増加に拍車を掛けていると、各種の労働組合や政治家達が批判 をして、それを規制する法律を作るべきだと訴えています。
これは今年行われる大統 領選挙の争点のひとつにもなっています。
しかしひとつの業種や地域だけを考えるのではなく、アメリカ全体の経済の発展を考えた場合、一概にビジネスのグローバル化 がアメリカ国内の職を奪っているとは言えません。
アメリカ国内へ日本やヨーロッパ 等他国の企業が工場を建設、また事業を移転して来ており、それが地域の雇用の拡大 や経済の発展に大きく貢献しているのも事実なのです。
また新しい職場を得た第三国 ではそれが経済の発展や人々の生活の向上にもつながっている事も忘れてはいけません。
そして何よりもビジネスのグローバル化を推し進めて来たのは、他ならぬアメリ カ自身なのですから。
MAMO (Nature’s Story USA/ロスアンゼルス)