LA通信 >2004.05.03
 



イラク戦争とメモリアルデー

5月の最終月曜日(今年は5/31)はメモリアルデー(戦没者追悼記念日)で、国 民の祝日となります。

首都ワシントンDCでは新しく建設された第二次世界大戦記念 碑に、多くの退役軍人(ほとんどが80歳前後の老齢)が訪れ、今は亡き戦友を偲び ました。

また各地のメモリアルパーク(墓地)では第一次、二次世界大戦とベトナム 戦争における戦没者追悼のセレモニーが行われました。

本来は過去の戦争で死亡した 兵士を称えるはずのメモリアルデーですが、今年は800名以上が死亡し、現在も毎 日その数が増加しているイラク戦争による戦没者を追悼するためのセレモニーも行わ れています。

ここLAでもイラクで死亡した兵士達をたたえるための、高さが30セ ンチ程の白い十字架が800以上も、観光地としても有名なサンタモニカピア(桟 橋)のすぐ近くのビーチ一面に立てられました。

そして兵士の家族や友人を始めとす る何百名もの人たちが、花やメッセージをその十字架に供えました。

イラクの囚人に対する虐待報道がアメリカに住む人たちに大きな衝撃を与えています。

ただでさえ4月5月だけで200名以上戦死するという状況に国民は不満を募ら せているのに、イラク国民に平和と自由を与えるために戦っているべきアメリカ兵が イラク囚人に非人道的な虐待を行っているというニュースは“いったい私達の国は何 をしているのか”と戦争の意義に対する疑問を増幅させています。

また他の国々に対 するアメリカに対するイメージの悪化に拍車を掛けていることは言うまでもありませ ん。

これによりブッシュ陣営は大きな打撃を受けており、現在その支持率は過去最低 となっています。

しかしイラク戦争そのものに対しては、既に巨額の予算を費やし多 くの兵士を失っているせいか、即時撤退というような要求はあまり一般からは聞かれ ません。

ブッシュ氏に対抗する民主党大統領候補のジョン・ケリー氏も単に反戦とい う立場は取らず、兵員の増強と国連の協力等の政策の変更によりイラク情勢の改善を 唱えています。

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一般的にアメリカ人は他の国の習慣や文化をあまり尊重しない傾向があるようです。

それは他の国のニュースや情報があまり報道されないメディアにより、他の国をあま り知らないということの影響もあると思いますが、独立心が旺盛で自身の権利を主張 する国民性のせいかも知れません。

調和を重んじる日本文化とは対象的であると言え ます。

その日米の違いが、ある日本在住アメリカ人によるトピック「ジョージ・W・ ブッシュよりもずっと頭の良い日本の女の子」にも語られています。

その中で著者は “おしん”を題材に以下の様にイラクにおける日米の対応の違いを紹介しています。

・・・日本で有名なキャラクターである“おしん”は中東を始め世界各国でも放映さ れ、最も有名な日本人のひとりです。多くの過酷な状況を乗り越えて成長していくそ のストーリーは、つらく厳しい現実(飢え、苦しみ、痛み)を体験している多くの国 の人々から共感を得ています。

中東では過去12年間に渡り放映され、イラン:82 %、イラク:76.7%の視聴率、またタイ:81.6%、中国:75.9%、ポー ランド:70%にも上っているそうです。

ではアメリカ人はその苦悩のストーリーに 共感を得られるでしょうか
・・・多分ないでしょう。

日本は伝統的に中東の国々と良い関係を築いてきました。
それはイラクに派遣された 自衛隊の人たちが口ひげを生やして現地の人たちに溶け込もうとする姿勢にも見られ ます。

またサッカーは中東でポピュラーなスポーツであり、自衛隊では現地の子供達 のためにサッカーボールをプレゼントとして持っていきました。

それは子供達の思い 出作りに役立つと同時に、その子供達と仲良くなればその両親とも親しくなることに なり、しいては自身の安全確保にも大きな効果があると考えられます。

しかしアメリカ軍にその様な努力が見られるでしょうか…子供達に安いチョコレートを与えること ぐらいしかないでしょう。

しかしこれらが戦地における生命保険だと考えるなら、 “35ドルのサッカーボール”と“35セントのチョコレート”、どちらがより価値 があるでしょう。

アメリカ人と日本人どちらが常識があるでしょう?比べればアメリ カ人がずっと間抜けに見えてきます

・・・ 「ジョージ・W・ブッシュよりもずっと頭の良い日本の女の子(英語)」:
http://www.lewrockwell.com/rogers/rogers17.html

上の著者であるマイク・ロジャース(Mike Rogers)氏は、アメリカ人を“自民族中 心主義(Ethno-centric)”と表現しています。

先日ラジオのイラク関係のトピックで も、「アメリカ兵は現地の言葉を話せない、歴史を知らない、文化を知らない、それ でどうやってイラクに自由と平和をもたらすことが出来るのか」とある中東関係の専 門家は語っていました。

またアメリカの映画では勧善懲悪のシンプルなストーリーが 多く、それはアメリカは正義でイラクのフセインが悪者だと言い続けていることに似 ているように思います。

本当にアメリカが正義なら、なぜ多くの他国の人たちがアメ リカを嫌い、軽蔑するのでしょうか。

イラク戦争当初、アメリカ兵士が自分達を解放 軍だと信じイラクへ行ったのに、侵略軍としてイラクの人たちから攻撃され、大きな ショックを受け精神的にダメージを受けたと報道されていました。

この理想と現実の 中で戦わなければならないアメリカ兵士たちも、この戦争の大きな被害者だと言える でしょう。

5月にはイラクにて日本人拉致事件、そして遂に日本人ジャーナリスト2人が殺害さ れるという悲しい事件も起きました。

今まで築いてきた日本人と中東の人たちとの関 係も危ういものになりつつあるのかもしれません。

メモリアルデーを迎えて、改めて この国(アメリカ)が戦争を今もしていることを思い出しました。

いち早い戦争の終 結、そしてこの悲惨な戦争の経験が、アメリカの人たちが世界の他の国々をより理解 することの手助けになることを期待します。・・・メモリアルデーが終わると、ここ アメリカでは本格的に夏を迎えていきます。

MAMO (Nature’s Story USA/ロスアンゼルス)